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コラム

社労士

障害年金の「障害認定日」とは?いつから請求できるのか

目次

  • 1.障害年金には、3つの要件があります。

  • 2.結論:障害認定日とは「初診日から1年6か月後」

    1. 2-1.なぜ1年6か月も待つのか
    2. 2-2.「治った」=完治ではありません
  • 3.1年6か月を待たなくてよい「特例」

  • 4.請求の方法は2種類ある

    1. 4-1.①障害認定日による請求(本来請求)
    2. 4-2.②事後重症による請求
  • 5.さかのぼって受け取れる「遡及請求」

    1. 5-1.受け取れるのは最大5年分
    2. 5-2.必要になる書類
  • 6.よくある誤解

    1. 6-1.誤解①「障害認定日を過ぎたらもう請求できない」
    2. 6-2.誤解②「20歳前に初診日がある場合も1年6か月後が認定日」
    3. 6-3.誤解③「症状が固定していないと請求できない」
  • 7.まとめ

1.障害年金には、3つの要件があります。

  1. 初診日がいつか
  2. 保険料の納付要件を満たしているか
  3. 障害認定日に一定の障害の状態にあるか

これまでのコラムで①と②を解説してきました。今回は最後の1つ、「障害認定日」についてお話しします。

「もう治療を始めて何年も経つけれど、いつから請求できるの?」
「昔のことだから、もう手遅れでしょうか」

こうしたご相談をよくいただきます。実は、過去にさかのぼって受け取れるケースもあるので、諦める前にぜひ知っておいてほしい内容です。


2.結論:障害認定日とは「初診日から1年6か月後」

日本年金機構は、障害認定日を次のように定義しています。

障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6カ月を過ぎた日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。

つまり、原則として初診日から1年6か月が経過した日が障害認定日です。

2-1.なぜ1年6か月も待つのか

病気やケガの直後は、治療によって回復する可能性があります。障害の程度を正しく判断するには、ある程度の治療期間を置く必要があるという考え方です。

2-2.「治った」=完治ではありません

条文の「治った場合」とは、完治という意味ではありません。**これ以上治療を続けても症状の改善が期待できない状態(症状固定)**を指します。

この場合は1年6か月を待たずに、症状が固定した日が障害認定日になります。


3.1年6か月を待たなくてよい「特例」

一定の医療処置を受けた方は、初診日から1年6か月以内でも障害認定日が認められます。日本年金機構が示している主なケースは次のとおりです。

  • 人工透析療法:透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日
  • 人工骨頭・人工関節の挿入置換:挿入置換した日
  • 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)、人工弁の装着:装着した日
  • 人工肛門の造設、尿路変更術:造設または手術を施した日から起算して6か月を経過した日
  • 新膀胱の造設:造設した日
  • 手足の切断・離断:原則として切断または離断した日
  • 喉頭全摘出:全摘出した日
  • 在宅酸素療法:在宅酸素療法を開始した日

ご自身が該当しそうな場合は、1年6か月を待たずに請求できる可能性があります。


4.請求の方法は2種類ある

障害認定日の考え方がわかったところで、実際の請求方法を見ていきましょう。

4-1.①障害認定日による請求(本来請求)

障害認定日の時点で、法令に定める障害の状態にあった場合の請求です。

障害認定日の翌月分から年金を受け取れます。

4-2.②事後重症による請求

障害認定日には基準に該当しなかったけれど、その後症状が悪化して該当するようになった場合の請求です。

請求した日の翌月分から年金を受け取れます。さかのぼりはありません。

⚠️ 事後重症請求には期限があります

請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。この期限を過ぎると請求できなくなりますのでご注意ください。


5.さかのぼって受け取れる「遡及請求」

ここが今回、いちばんお伝えしたいポイントです。

障害認定日の時点ですでに障害の状態にあったのに、当時は請求していなかった——そんな方でも、後から障害認定日にさかのぼって請求できます

これを「遡及請求」と呼びます。

5-1.受け取れるのは最大5年分

年金を受ける権利は、発生してから5年を経過すると時効によって消滅します。

そのため、たとえば障害認定日から10年経ってから請求した場合、受け取れるのは直近5年分までです。それ以前の分は時効で消滅してしまいます。

5-2.必要になる書類

遡及請求をする場合、診断書が2枚必要になります。

  • 障害認定日の頃(認定日から3か月以内)の診断書
  • 現在の状態の診断書

当時の病院にカルテが残っていないと、認定日当時の診断書が取得できません。カルテの保存期間は原則5年のため、時間が経つほど難しくなります

「昔のことだから」と諦めず、まずは早めに確認することをおすすめします。


6.よくある誤解

6-1.誤解①「障害認定日を過ぎたらもう請求できない」

そんなことはありません。遡及請求という方法があります。

ただし受け取れるのは直近5年分までで、当時の診断書が必要です。早く動くほど有利という点は覚えておいてください。

6-2.誤解②「20歳前に初診日がある場合も1年6か月後が認定日」

20歳前に初診日がある方は少し扱いが異なります。

障害認定日が20歳より前に来る場合、20歳に達した日が基準となり、年金を受け取れるのは20歳に達した日の翌月分からです。

6-3.誤解③「症状が固定していないと請求できない」

精神疾患やがんなど、症状固定という概念になじまない病気も多くあります。

これらは症状固定を待つ必要はなく、初診日から1年6か月経過した日が障害認定日になります。


7.まとめ

  • 障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日
  • 1年6か月以内に症状が固定した場合は、その日が認定日
  • 人工透析・人工関節・ペースメーカーなどには特例があり、早く請求できる
  • 認定日に該当していれば遡及請求で最大5年分さかのぼって受け取れる
  • 事後重症請求は65歳の誕生日の前々日までが期限

「もう何年も前のことだから」と諦めていた方も、実は受け取れるケースがあります。当時の診断書が取れるかどうかが分かれ道になりますので、思い当たる方はできるだけ早くご相談ください。


参考資料

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